ハワイにおけるチップの基本
ハワイに来て、多くの方が戸惑われるのが日本にはない”チップの習慣”ではないでしょうか。こういう場合チップが必要なの?いくらぐらい払うのが適切なの?などチップにまつわる正解と言うのはなかなかわかりづらいもの。今回はハワイに住んで長いシミズ・ゲートウェイズ社のスタッフによる「ハワイにおけるチップの基本」の解説です。
チップの基本の考え方
チップの基本的な考え方として、”サービスを受けたこと”に対して支払うものです。この場合のサービスとは「着席でのレストランのテーブルサービス」「車を運転しもらったり、荷物を運んでもらう」「マッサージをしてもらう」など、だれかがあなたのために動いてくれた時にチップが発生するとイメージしてもらえれば良いと思います。
逆に、棚に並んでいる商品を購入するだけ、また商品を渡されるだけのファーストフード店などではチップは不要です。
サービスに満足しなかったらチップは支払わなくていいの?
結論から言えば、この後に説明するようなチップが必要と考えられているサービスにおいては、たとえサービスに満足しなくても「チップを払わずに立ち去って良い」ということはありません。アメリカのサービス業界は、チップを受け取ることを前提に、最低賃金以下の給与設定となっている職種もあり、チップはテーブルを担当したサーバー以外のスタッフともシェアされる仕組みとなっているところがほとんどです。日本人の感覚ではなぜ?と思いますが、チップに関しては”郷にいれば郷に従え”です。
不満があるのに何も言わず、チップを置かずに立ち去るのはNG行為です。
もしもサービスに不満があるのならば、その場でマネジャーを呼んでもらい、不満を伝えて改善してもらうこと。料理がおかしかったら作り直してもらうなどの対応を、”その場で要求すること”が重要です。きちんとしたお詫びや改善の対応をしてくれた場合には(ほとんどのきちんとしたお店は対応します)最低でも15%のチップをおいて店を出る、というのがアメリカの大人のマナーとなっています。

チップの支払いは現金?クレジットカードでもできる?
クレジットカード払いの際に、チップを上乗せして支払うことが可能です。レストランやスパでは、会計時にチップ額を記入する欄があります。最近では、タブレットやハンドヘルド端末でのタップ(タッチ)支払いも増えてきました。その場合、クレジットカードをタッチした後に、チップを選択する画面がで出てきます。好きなチップの%のボタンか、金額を入力すればOKです。チップのみを現金で渡すことも可能です。
レストランにおけるチップの相場
ハワイのテーブルサービスのあるレストランでは、チップはほぼ必須です。朝食やランチでは15〜20%、ディナーでは20%以上が標準とされています。最近ではレシートの「Suggested Tip(推奨チップ)」欄に20%、22%、25%といった高めの数字が並ぶことも多くなっています。サービスが特に良かった場合には25%を置く人もいます。
大人数(6名以上)の場合は自動的にサービス料(Gratuity)として18〜20%が加算されることもあります。二重払いとならないよう、レシートを必ず確認しましょう。伝票を見てもチップが含まれているのかいないのか分からない場合は、サービススタッフに「Is the tip included ?(イズ ザ ティップ インクルーディット?)」と質問して確認しましょう。
カフェやテイクアウトフードコートなどのチップ
カフェやフードコートでは、必ずしもチップが必要ではありません。ただし、最近はタブレット決済の際にチップ選択画面が出ることが多く、1〜2ドルや合計の10%程度を入れる人もいます。ポットから注いだコーヒーをテイクアウトする場合などは不要ですが、バリスタが一杯ずつ入れてくれる場合などは少額のチップを置く人が多いです。フードコートでトレイを手渡されるだけの飲食なども、チップを支払わない、または少額にとどめる、という人もおり、この辺りは明確なルールはありません。
スパやネイルサロンなどのチップ
スパやマッサージ、ネイルといったサービス業ではチップが慣習的に必要です。一般的には料金の15〜20%が目安です。特に丁寧な施術や満足度が高いサービスを受けた場合は20%を渡すと喜ばれます。会計する際にチップを加算して支払ってもOKですし、直接担当者に現金で渡してもよいです。

ホテルでのチップ
ホテルではシーンごとにチップの習慣があります。格の高いホテルではこれらのチップの相場も上がります
- ベルスタッフが荷物を運んでくれた場合:1個につき2〜3ドル程度
- ルームサービス:合計金額の15〜20%(サービス料込みか確認)
- ハウスキーピング:1泊あたり2〜5ドルを枕元に置くのが一般的
- コンシェルジュに特別な予約や手配をしてもらった場合:10〜20ドル程度
- バレーパーキング:一回に付き5ドル前後
その他のチップが必要となるシーン
- タクシーやライドシェア(Uber、Lyft):料金の15%前後
- ツアーガイド:1人あたり10〜20ドル、またはツアー料金の10〜15%
現金でチップ支払いが必要になる場面は?
チップを渡す相手が、レジや決済端末を使えないシーンでは現金でチップを払う必要があります。例えば、ホテルのベルスタッフやハウスキーピング、またバレーパーキングで車を回してくれたスタッフ、ツアーの終わりにガイドさんへ、といったシーンではその場で手渡しとなります。 カード決算がほとんどのアメリカ生活において、少額紙幣を用意しておく必要がある数少ないシチュエーションです。
【まとめ】
日本に比べてなにかと割高に感じるアメリカのチップ文化。そうは言っても、これは避けて通ることはできません。レストランやスパでは最終的なお支払い額はメニューから20%ほどアップになることを予想してオーダーしましょう!